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将棋世界2014年6月号

今回取り上げる作は類作という訳ではないのだが、あれこれ理由を付けて過去作を紹介するのもこのブログの目的の一つなので、お許しあれ。

◆詰将棋サロン、安武翔太
201406将世40手

恥ずかしながら私は知らなかったのだが、この作に見られる、間に味方の駒を挟んだ飛香のコンビネーションを若島手筋というらしい。
オリジナルはパラ1992年10月号若島正(盤上のファンタジア33番、15手詰)
盤上のファンタジアを確認するとちゃんと若島手筋と言う言葉があった。

この作は二枚飛車のコンビネーションだが二枚角で実現した作が
パラ1994年10月号宗岡博之「MOTOR DRIVE」(看寿賞&半期賞、17手詰)

飛香のコンビネーションでは次の作が一番古そうだ。
パラ1993年7月号村木徳(孫六集189番、13手詰)
1945muraki0手
パラへの投稿は1992年10月らしいので(わざわざ調べてくださった斎藤さん、ありがとうございます)、
若島作を参考にした可能性は低いだろう。
なお、このパターンの作としては他に
パラ1996年4月号山本裕道(余詰、17手詰)
近代将棋2007年7月号岩田智之(9手詰)がある。


続いて昨日の将棋フォーカスでチラッと映った2作。
◆詰将棋サロン、廣瀬崇幹
月間優秀作。収束から類型的と感じてしまうが、24馬を置いたのが工夫で角の翻弄は流石。
201406将世70手

馬以外を置いた作であれば例えばこんな作。
将棋ジャ-ナル1984年4月号御回三八(11手詰)
0532gokai0手


◆詰将棋サロン、山川悟
意外にも初入選。序の工夫は見て取れる。
201406将世80手

同じ収束を3作紹介。
パラ1973年11月号吉村達也(25手詰)
3073yoshimura0手
角不成のリピート。

パラ2011年3月号椎谷彰(15手詰)
201103ヤンデ40手
双玉飛角図式。
著名な作者だが三百人一局集にも四百人一局集にも名前はなかった。

パラ2012年4月号宮原航「ロンド」(27手詰)
201204短190手
馬の上下運動で龍と角を誘導する。これが中学生の作とは。
120:若島手筋

今回の記事で真っ先に浮かんだのが、去年のC級順位戦の三輪勝昭と言う人の作品です。
細かく考えれば若島手筋とはちょっと違うかな。でも料理の材料としたら同じもの。
この図は勿論初手は無用として、何故こんなに形が悪いのだろう。
作者の技術不足はあるとして、中の馬を抜くのに2手かけているからか?
それとも手順構成に無理があるからか?
どちらにしてもひど過ぎる。
作者も流石にこの図はなかったなと思っているでしょう。

ところで今回の2例だけど若島作との相違点があります。
それは馬を中抜きする時に玉以外で取れる事です。
玉しか取れないなら中抜きの変化が容易に見えるけど、若島作は守備駒で取れる事で格段に見え難くなっています。
若島さんは守備駒で取られても成立する手筋として考えたものだと思っていますが。

2014.06.02 20:40 匿名希望(笑) #- URL[EDIT] 返信
121:Re: 匿名希望さん

匿名希望でも正体はバレバレですね。

成程、馬香のコンビですか。これは割とありそうですね。
しかし、若島作との相違点については細かく見ていて感心します。

PS.山北製麺の詰将棋は誤図でしょう。

2014.06.02 21:01 EOG #- URL[EDIT] 返信

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