◆大学院、添川公司「枯野行」
盤上の駒が12枚になってから玉を下段・右辺・上段と70手以上追い回す。
これを煙詰に結びつける技量がとんでもない。

下段での追い方はポピュラーに見えるが持駒に金が2枚あるパターンは多分ない。
最後の部分が近代将棋1973年10月号大井美好(29手詰)にある程度。

初手29金の余詰がある。
上下をつなぐ右辺での追い方は前例がありそうでない。
上段での追い方は風ぐるま1954年4月号黒川一郎「流鏑馬」(将棋浪漫集16番=修正図、71手詰)にある。

なお、将棋浪漫集には76香ではなく75香と印刷されているが、挟み込みの正誤表で76香の誤りと訂正されている。
75香でも余詰はないが馬の利きが遮断され紛れが減る。発表原図も76香である。
詰棋めいと14号及び近代将棋1996年5月号には75香のまま掲載されているがこれは誤り。
空気ラボの同一作検索では76香の図が将棋浪漫集16番として登録されている。
また
将棋雑記の黒川一郎研究でも正図が掲載されている。
◆D級順位戦①、加賀孝志

デパートの作と同じ収束。これが意外とない。
デパート、加藤義信

先月取り上げた将棋世界の月間優秀作は「はぁ?」という作だったが、これは好作。
デビューは将棋マガジン1984年12月号なので結構なベテラン。
◆九州G作品展、八尋久晴

角を先に手放す手順は一寸面白いが、なくはなかった。
パラ1997年9月号森英生(17手詰)
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