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将棋世界2021年1月号

たまたま島作の類似を見つけてしまったので、ついでに他の作も調べてみたら…

◆詰将棋サロン、野村量
202101将世10手

二上達也「二上詰将棋代表作」初級詰将棋# 9(詰棋通信1969.12、7手詰)
二上代表作1-090手

安達康二「夢の車輪」第2部# 146(ちよだ1997.5.19、7手詰)
夢の車輪2_1460手

読売新聞(西部)1998.1.14中島清志(7手詰)
19980114中島0手

野村さんは何作もの未完成詰将棋の図面を部屋に貼り、事あるごと眺めているらしい。
まるで久留島喜内だが、「野村量の詰将棋560」の巻末インタビューによると、出来上がっても最低1か月は手元に置くそうだ。
多作家といえども納得のいくまで推敲する姿勢は見習いたい。

本作は2手目に51玉の変化を用意するとともに最小限の配置で作意を成立させている。
安達作とかぶってしまったのは残念だが。


◆詰将棋サロン、松田圭市
202101将世20手

9手詰マスターの9手詰。
初手がちょっとした変化伏線だが、本作は次の作の発展形だろう。
パラ2014.7松田圭市(9手詰)
201407幼200手


◆詰将棋サロン、島勇三
202101将世30手

11歩、13香が逆形。
試しに11香、13歩で柿木先生に解いてもらうと作意を答え余詰もなさそう。
ついでに同一検索をしてみたらヒットした。

将棋世界2018.5付録「中田章道実戦型詰将棋作品集」# 11(中日スポーツ2008.4.1、11手詰)
中田実戦110手

「Limi7」にも収録されている作者なので、同一検索逃れのセコいことをするとは思えない。
危ないと思った筋があったのだろうか?よくわからない。
なお、解説では触れられていなかったが、6手目33玉の変同がある。


◆詰将棋サロン、大野友暉
202101将世50手

10月号に引続いての登場。

岡田敏「万華鏡」# 87(近代将棋1980.7修正図、23手詰)
3040okada0手

9手目から大野作に合流する。

将棋マガジン1981.7大道棋(15手詰)
0634daido0手

将棋110番というコーナーで紹介されているらしい。
岡田作の前半をカットしているのは明らかだが、実際に大道で出題されていたのだろうか。

将棋世界2002.4付録「中田章道短編傑作選47題+1題」# 35(13手詰)
中田傑作47350手

なお、大野作は玉方の飛車を七段目に置いているため27桂が打てず桂合の変化が難しくなっているが、
岡田作の当初図は58飛→57飛だった。これだと冒頭の変化が割り切れない。


◆詰将棋サロン、鴨雅彦
202101将世70手

月間優秀作
成程の収束だが、この収束は前例がある。

日本将棋連盟ウェブサイト「まいにち詰将棋」2018.12.16佐藤義則(11手詰)
20181216佐藤★0手

佐藤作は解くのに苦労した記憶が…

2021-01-23 (4)
2021-01-23 (5)

佐藤九段、実は隠れた詰将棋の達人とか。

詰将棋パラダイス2020年11月号表紙

◆表紙、鈴川優希
202011表紙0手

作者自身もブログに書いているが、今月号のパラに類作指摘があった。
指摘者は「Limit7」解説者でもある佐藤和義さん。

将棋世界2018.1付録「若手棋士の詰将棋」# 33上田初美
若手棋士330手

類似には全く気付かなかったが、指摘記事で思い出したことがあった。
上田作の解説に「師匠の助言を受けた」とあったので、当時調べていたのだ。
おそらく元になった作は将棋連盟のサイトにある伊藤果八段の連載記事「詰将棋の魅力」第2回にある作だろう。

20171118伊藤20手

この作、当初図は22角→15角だったが、余詰があり第3回で修正されている。
22角のままでは34桂と打てないが15角なら打てそうだというあたりが上田作の発想か。
もっとも15角と置いた図は、やはり今月号のパラに訃報が載っていた近藤善太郎さんにある。

パラ1985.2近藤善太郎
4653kon0手

頑張れば34桂から始められそうだが、賀状到来のコーナーで紹介されている年賀詰なので、作者としては手すさびといったところか。
「現代詰将棋短編名作選」で近藤さんの作を選んで解説させてもらったが、短編から煙詰まで幅広く創作される方だった。

なお、今回改めて検索してみたところ、詰将棋メーカーに上田作とほぼ同一の図があった。(26と→26金の反転図)

現代詰将棋中編名作選Ⅱ第58番

2021/01/01(金) 00:10:01 T-Base THEME:将棋 (ジャンル : ゲーム EDIT
謹賀新年
2021-1-1.jpg
巣ごもり
考え所がない上に非限定が2か所。

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◆パラ1988.1、岡本眞一郎(改良図、「競馬式」#63)
46900手

本作は現代詰将棋中編名作選Ⅱで私が選題し解説をした。
原稿を書き上げ角さんに提出したところ、しばらくして送られてきた校正稿では3筋の金の位置が違っていた。

本作は改良図だが、パラ2004.12の全詰連の頁で紹介されているらしくT-Baseには収録されている。
その手順を元に解説を書き、図面もそのまま貼り付けたのだが、3筋の金は38金になっている。

中編名作選Ⅱの解説では「競馬式」の帯に印刷されている本作の詰上り図とキャッチフレーズについて触れたが、
実は初形図も印刷されており、ここも3筋の金は38金になっている。(これが誤りの元凶?)

角さんは何でこんなところを間違えるのだろうと思いつつ、改めて本文を見たところ出題編、解説編共に3筋の金は37金だった!!
さすがは元将棋世界編集長。
(38金の方が当たり駒でなくなり、見た目はいいような気がしないでもないけれど)