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「象戯九十九谷集」(1951.12刊)を調べてみた

2019/11/05(火) 20:04:23 T-Base THEME:将棋 (ジャンル : ゲーム EDIT
とはいうものの私が持っているのは「詰将棋-初歩から初段まで」(1962刊)なので「詰将棋博物館」も参照した。
186題収録されているが、#120と#184がダブっているので後発本では185題になっている。

北村研一以外に使用している名義は次のとおり。
北村兼一(本名)、甘野痩歩、牛追菩薩、梅川章子、梅川幸子、金丸國男、川副茂樹、棋閑坊、中久木妙策朗、山岡棋閑坊、山ノ井篤、渡辺隆司

◆#21
#210手

余詰作で解答手順は9手目43角以下の25手だが、T-Baseでは9手目32銀(32角もある)以下の25手。こちらの方が捌けた感じはする。
なお、T-Baseは54飛が攻方になっている。

◆#44
#440手

詰将棋博物館では将棋世界1947.10だが、T-Baseは将棋評論1947.10となっている。
解答手順は22龍、同玉、31角、同玉、21金、同龍、42銀不成、22玉、※21馬、同玉、31飛以下の17手駒余り。T-Baseは※21馬、13玉以下の15手。
これは六段目の駒がなくても成立する手順だし、そもそも詰将棋になっていない。

5手目42銀不成でも詰むようだがそれはさて置き、作意は多分※で33銀不成、13玉、14歩、同玉、32馬、13玉、24銀、同龍、14歩、同龍、同馬、同玉、24飛、13玉、23飛、同玉、24歩、14玉、25金、13玉、23歩成、同玉、24金、22玉、23金、11玉、22金までの35手。収束乱れるが当時としては許容範囲だろう。

◆#103
#1030手

同一検索では作者不明及び板谷四郎(共に反転図)

◆#107
#1070手

同一検索では板谷四郎

◆#112
#1120手

同一検索では板谷四郎

◆#116
#1160手

同一検索では作者不明

◆#131
#1310手

詰将棋博物館によると発表作は#99まで。#100~#127は作者検討済の未発表作。#128以降は「未検討カード」やメモその他から集めたものとのこと。

本作、詰め方はいろいろあるが解答手順は14龍、13桂以下お馴染みの9手。
これだと4筋以降の駒は不要なので、例えば持駒銀銀桂で5手目32銀、同金、同桂成、同玉、43歩成のような手順を想定していたのかも。

◆#148
#1480手

同一検索では五十嵐豊一。
12飛以下の11手だが、初手34桂で余詰

◆#157
#1570手

同一検索では塚田正夫及び升田幸三。
塚田正夫は週刊朝日1950.4.30号のようなので九十九谷集よりも早い。
パラ1950.9でも紹介されているので、もしかしたら塚田作をメモした紙が紛れ込んでしまったのかも知れない。


◆#186
#1860手

最後の作、初形「北」
解答手順は53銀成、同金、同角成、同玉、43角成、同玉、42桂成、53玉、※54銀、同桂、44金、63玉、54金まで13手駒余り。

他にも詰め方はあるが、おそらく持駒の銀が不要なのだと思う。
銀がなければ※44金、53玉、23飛成までの11手。手順前後は残るが余詰はない。