「将棋クラブ」、桃園書房発行、1978年2月号から79年1月号まで1年の寿命だった雑誌。
高田馬場の芳林堂書店で立読みしたとき岡部雄二作(饗宴収録)が結構印象に残った記憶はあるが、どんな雑誌だったかは忘れた。
優秀作には二上賞が贈られることになっていたと思うが、受賞作について聞いたことがないので幻に終わっているのだろう。
T-Baseには108作が収録。どういう訳か19作に解答が付されていない。
柿木将棋にかけてみると15作はちゃんと詰む。残るは4作。
◆将棋クラブ1978年2月号、湯川玲治

明らかに32桂は32馬の誤植か誤入力だろう。
21龍以下の9手詰。唯一の発表作のようだ。
◆将棋クラブ1978年7月号、増田和博

これは駒が足らない。試しに持駒を角金3とすると19金以下13手でピタリと詰む。
ただ、この手順だと63歩が不要なのが気になるが。
この作者、結構昔から発表していたのだなと思って「四百人一局集」を見ると、何のことはない、63歩を除いた改良図が載っていた。
持駒の誤植があったと作者は書いているので、T-Baseの図はある意味正しい図だった。
再出題はされていないので解答募集形式ではなかったのか?
◆将棋クラブ1978年3月号、二上達也

毎号表紙には二上作が掲載されていたようだ。
13に逃げられては駄目なので25歩と置いてみるが詰まない。
持駒に角を加えると19手駒余り。作意17手の変長作と言えないこともないがスッキリしない。
難問だったが、攻方26銀(15でもいいが)あたりの脱落と推定。
これなら13銀以下の13手詰で61香配置の意味も分かる。
◆将棋クラブ1978年11月号、斎藤忠

将棋世界を中心に活躍していた印象のある作者。
初登場は王将1949年7月号、最後の発表作は将棋世界1980年1月号。発表局数40余り。
さて、この作が分からない。一つ前の作が19手なので手数はそれ以上。
あれこれ悩んだ末、盤上飛車か龍の脱落と推測。
6段目や4筋5筋に置いてみるが上手くいかない。
有力なのは85龍だが駒が余ってしまう。
どなたか教えてください。