◆高等学校、武島宏明
類作ネタでなく勝手に解説しています。
普通に進めると龍-飛の並びになり打歩詰。それを打開すべく、飛-龍の並びにする。

角と馬での組合せは同じ作者のパラ2012年8月号

同一ライン上の成駒を生駒にすり替えるのは無双85番が最初だろうが、並び順を変えるのは初めて見る構想。
湯村光造の「歩詰手筋総まくり」を当たってみたがは該当はなかった。
それでも新構想と断言する勇気はなかったが、平均点が2.61しかないのには驚いた。
最近見たプロブレムに似たような筋があった。
「ENCYCLOPEDIA OF CHESS PROBLEMS」のANTI-ZEPLER DOUBLINGの項にある3作。
(1年前に買ったのにまだAの項…)
◆ZEPLER,Erich / Kongressbuch Teplitz-Schönau 1923 /#4

1.Bc6として次に2.Rc3を狙うのは1...Bg7とされQ-Bの並び順は強力なQが先頭のためうまくいかない。
そこで1.h8=Q! Qxh8と移動させてから2.Bc6とすれば2...Bg7と受けるしかなくBが先頭になるので、
3.Rc3+ Bxc3 4.d3#。c3に来る駒がBなので 4.d3が可能となる。
◆ZEPLER,Erich / Kongressbuch Teplitz-Schönau 1922 /#5
上の作とは逆にQ-Bの並びにしてQを先頭に持ってくる。

単に1.Rb4では1...Qf4と受けられB-Qの並びになってしまい失敗する。
上の作と同様に1.Bg3! Bxg3 と捨駒でBを移動する。
続いて2.Rb4 Qf4となればQ-Bの並びとなる。
3.c7+ Qxc7 4.bxc7 Bxc7 5.Sc6#
c7で清算したのち残る駒がBなのでを5.Sc6が可能。意味合いは最初の問題と同じ。
◆TRILLING,Anton / Essener Anzeiger 19.12.1935/(v) /#4
こちらは白の駒の並びを変える。

単純に1.Qd4とし2.Qxg7#を狙うのは1...g1=Q!とピンされQが動けない。
そこで1.Be5とBを前に出す。次に2.Qd4~3.Bxg7#の狙い。
それを避けるために1...Bb2と防ぐが2.Bxb2 f2に3.Qa1と回られ、どう応じても4.Bxg7#となる。
同じラインに並ぶのがダブリングで、それを逆さまの並びにするからアンチなのかな。
自分なりの理解で書いているので間違っていたらごめんなさい。