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歩香重ね打ち

歩香重ね打ちの例を調べていたら
谷口均さんがいろいろ手掛けていることに今さらながら気がついた。
(どこかで読んだ気もするのだが)

①詰将棋パラダイス1982年4月号(孤愁の譜43番、半期賞)
taniguchi14470手

重ね打ちをして角の利きを予め遮断できるようにしておかないと後の桂打ちが出来なくなる。
といっても角を動かさなければ桂打ちはいつでも出来るわけで、知らないと悩みそうだ。

玉方の駒の利きを遮断する重ね打ちはOT松田がオリジナルかな。
近代将棋1972年7月号OT松田作(塚田賞)
matsuda06670手


②近代将棋1993年9月号
taniguchi25820手

玉方に香があると後で香合をされて詰まない。
こういうケースでは香を渡さないように不利先打をするのが通常だが、
本作は重ね打ちで香を渡さないようにする。
これはオリジナルか。


③詰将棋パラダイス1994年9月号
taniguchi28610手

味方の大駒の利きを遮断し後の打歩詰を回避する。
途中、馬筋を通す伏線的な手順が入るので、手順を並べるだけでは理解しにくい作になっている。
①は敵駒の遮断だが、こちらは自駒の遮断。これもオリジナルか。


④将棋世界1996年2月号
taniguchi34050手

こちらは逃げ道封鎖の意味合いだが、先に香を打つと後の成捨てが見えなくなる。
解くのに苦労しそうだ。


おまけ。重ね「打ち」ではないが、その雰囲気は充分。
近代将棋1996年9月号
taniguchi35100手

ネタ帳から

201305院0964手

上の図はパラ2013年5月号添川公司作「優駿」の64手目の局面。
作意は63桂成だが、ここで浮かんだ手順は43銀、61玉、83馬上、51玉、63桂、62玉、61馬、63玉、52馬まで。
83馬に替えて下図にように52角と右から打つ手もありそうだ。
こちらの方が桂跳ねの味は良さそう。とりあえずネタ帳フォルダーに収納。
13Oct22a0手

でそのまま忘れていたが、先日フォルダーを見返していて上図に再会。
少し逆算してみようかと思ったが、あってもおかしくない手順なので調べてみると
何のことはない「優駿」の2か月前に解いている作があった。

パラ2013年3月号鈴川優希作
201303デパ10手

自分が手掛けたとしても、こう上手く逆算出来なかったことだけは断言できる。

勝又六段の色紙

最近ネットで見かけた勝又六段の色紙に書かれた詰将棋。
http://tumekihu3dan.seesaa.net/article/376674847.html
20131005勝又0手

角の配置に既視感があり、x4ccで同一作を検索すると近代将棋1975年8月号竹田龍治作との結果。
そうだったなと思いつつもモヤモヤ。念のためT-baseの配置駒検索にかけてスッキリした。

王将1950年1月号金田秀信作
0141kaneda0手

短編名作選収録作だった。

将棋世界2013年1月号

1月号について書き洩らしていたことに今頃気付いたので、遅ればせながら。

◆詰将棋サロン、芹田修作
月間優秀作
201301将世10手

次の7手詰がある。
パラ1982年6月号大海慶和作
1606oomi0手

少々異なるがこんな作も。
パラ2003年4月号高坂研作
2714kousaka0手

詰将棋パラダイス2013年7月号補遺その2

◆中学校、おおた葉一郎作
201307中10手

銀合以下の手順は多いだろうからと検索しなかったが失敗だった。
解説にあるとおりパラ1994年10月号角寿雄作の3手目からと同様だった。
2958sumi0手

銀合以下の手順を検索すると10作ほど引っ掛かったが
ちょっぴり感心した作を紹介。

近代将棋1979年5月号小寺秀夫作
2603kodera0手

将棋世界2013年10月号その2

◆詰将棋サロン、清水透作
前半の限定打は上手い。
201310将世40手

この収束は結構あると思ったが意外となかったので先行例を挙げておく。
パラ1979年5月号竹内宏作
3819takeuchi0手


◆詰将棋サロン、藤井規之作
月間優秀作。珍しく選者と見解が一致した。
検索してみると作者は高校生のようだ。
201310将世60手

7手目からは第2回詰将棋解答選手権戦(2005年3月)に出題された上田吉一作の5手目からと同様。
但し藤井作の主眼は前半の手順。後半が分かってから前半が分かる仕組みになっている。
1313ueda0手


◆詰将棋サロン、芹田修作
行儀が良すぎる感じ。
201310将世80手

収束は将棋世界2007年12月号中田章道作にある。
3034nakada0手

将棋世界2013年10月号その1

◆詰将棋サロン、山崎詔三作
これは前例ありと思わなければいけない手順だろう。
201310将世10手

一番古いと思われるのは
近代将棋1950年8月号湯村光造作
(古今短編詰将棋名作選、詰将棋探検隊に収録)
0095yunomura0手

同じ打捨て順の作は他にもあるので初出と作者名を以下に。
風ぐるま1956年4月号、村上公一9手
近代将棋1976年1月号、谷口均13手
近代将棋1996年1月号、塚田真青9手
パラ2006年11月号、北村憲一9手
パラ2010年09月号、新開克行23手
my cube2013年6月8日、鈴川優希13手
また、芹田さんによると勝浦、真部、中田プロにも手順自体は同じものがあったはずとのこと。

これらのうち中段玉でない谷口作と塚田作を紹介。

谷口作、同じ捨て方でも全く別の作との印象を受ける。
1558taniguchi0手

塚田作は実戦型。
3278tsukata0手

詰将棋パラダイス2013年9月号

9月号は類作ネタがない。
で、捨合入り馬鋸について書こうと調べていたら、何年も前に「風みどりの玉手箱」に書かれていた。
なので、それを勝手に引用してしまおう。(風先生及びTETSU様、お許しを)

その前に
◆アマ連杯握り詰優秀作、井上徹也作
捨合入りの馬鋸。機構は過去作の応用だが、握り詰と結びつける点が凡人とは異なる。
201309アマ連10手

「風みどりの玉手箱(2005年1月9日)『蝿』」を「詰将棋メモ~添川公司さん『妖精2』」から引用します。

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近代将棋2月号の「妖精2」の解説で柳田明さんが次のように書いている。

この馬鋸は伊藤正作「メタ奔馬」型と呼ばれている(それ以前に両王手を利用した「蝿」という同手順で別機構の作品もあるが,通例に従いメタ奔馬型馬鋸と呼ぶ)が,一部の作家間ではこれを煙詰に組み込めれば飛躍的に記録を更新する事が出来ると言われてきた。

さすが柳田大兄,「蝿」と言われてハッと思い出した。確かにそんな作品,パラで見た記憶がある。捨てられ人さんか,小島さんか,,,タイトルからして小島さんかな。ただ「蝿」のことは「メタ奔馬」を見たときには思い出さなかった。同馬と取れないという点が決定的に違うからだろうか? ・・・ 図面を探してみたら,筆名での発表だったが小島さんで正解。デパートだと思っていたら,大学院だった。柳田さんは,「蝿」の発表時に,「いばらの森」や「妖精2」の可能性まで見ていたんだろう。だからこそ覚えていたに違いない。

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補足すると「妖精2」は添川公司(近代将棋2004.12、改良図はパラ2012.08)、
「いばらの森」は馬詰恒司(パラ2004.08)のそれぞれ馬鋸入り煙詰。
「メタ奔馬」(詰棋めいと創刊号1984.06)は連取り型馬鋸。序盤にも何カ所か余詰があるが、馬鋸の途中で88馬と出る余詰があるようだ。
なお、本家の「奔馬」は田中鵬看(近代将棋1971.02。黒川一郎に同タイトル作はあるが)。
看寿賞奨励賞を受賞した歩なし全駒シリーズの一局。収束にキズ的な余詰がある。
(余談。当時中学2年だったが「馬のこ」という字を見て仔馬のことだと思った)
いずれの作もネットで見ることが出来る。

ここでは多分ネットでは見れない「蝿」を紹介。
パラ1981年2月号殺人機械(=小島茂)作、115手詰
0185satsujin0手

馬が戻っていく際、46に合駒をさせる迂回手順あるが、最初から46歩を配置しておけば大丈夫か?
護堂浩之「新・馬子唄集」の分類では「無限反復式捨合型」、
大塚播州「漫陀楽」の分類では「基本形・馬ノコ」「毎回歩合型、駒取馬鋸」ということらしい。