「若島作によく似た手順の作品があるが微妙に違っているのが面白い。」
「someone like youで取り上げられそうな…。」というツイートに応えて。
◆ツイッター連載の「お気に入りの詰将棋」100作目、伊藤果作(初出不明)
打歩詰誘致の移動合

若島正「盤上のファンタジア」11番(京都民報1989年10月)

35が角と銀の違いで持駒に桂一枚の差。と同時に33桂を取るタイミングが異なってくる。
伊藤作の初出を調べようと単行本や将世付録をめくっていて、アレ?と思ったこと。
◆王様殺人事件(1996年11月発行)32問
作者17歳の時の作と紹介されているが、類作については言及なし。

これは「残影-伊藤果詰将棋百番」(1976年3月発行)の15番(未発表作、詰のオルゴールにも収録)。
「不幸にも類作があり、がっかりした作品」と作者はコメントしている。
類作とは将棋月報1942年2月号佐藤千明作。

@serisiuさんの名作詰将棋紹介(2012年2月18日)で「どこかで類作を見たような気がするが、これが正真正銘のオリジナル」と紹介されている。
昔、指摘したような気もするが、伊藤作は高柳敏夫「新感覚詰将棋」(1976年8月発行)第3章6番(1973年1月発表)と同一図。
ちなみに、x4ccの同一作チェックにかけると
伊藤果「将棋世界」1993年2月、高柳敏夫「週刊大衆」@詰棋通信(1984.12)、高柳敏夫「小説サンデー毎日」@詰棋通信(1991.12)、高柳敏夫「東京スポーツ」@詰棋通信(1984.10)と出てくる。
若島ネタでもう一つ。
作者の利波さんにはお知らせ済で、ブロクに載せるつもりはなかったが若島関連ということでお許しを。
◆詰将棋パラダイス2012年2月号詰備会作品展、利波偉作

龍の利きに違いがあるものの、
京都民報Webにある「若島正の詰将棋ワールド」中級(3)と同様手順。

実際に解いた訳ではないのだが、角の打場所が非限定とはいえ利波作の方がいいなと思ったりする。
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